東京インターナショナル・プレイヤーズ公演、ミュージカル『ザ・フー:トミー(The Who’s TOMMY)』が5月17日開幕する。才能あふれるキャストがそろう本公演で、主役トミーを務めるカルロス・キアポさんにインタビューを行った。
-自己紹介をお願いします。
カルロスです。フィリピンから来ました。現在は東京でエンジニアの仕事をしています。2015年に大学を卒業し、すぐに来日しました。演劇活動は2011年から行っていますが、日本に来てからも、東京インターナショナルプレイヤーズとパイレーツ・オブ・東京湾で舞台を続けることができてうれしく思っています。その他にも、フリーランスの写真家をしています。

-日本に来たきっかけを教えてください。
もともと、祖国を離れて海外で働こうとは考えていませんでした。現在の勤め先の会社が、私の通っていた大学に来て就職イベントを行いました。その時、私が「寿司とラーメンが大好きなんです」と話したら、うまい具合に話が進んだのです。この仕事を依頼するのに、十分な人材だと判断されたのかも知れません。
– 舞台の世界に足を踏み入れたきっかけは何ですか?
舞台の世界に入ってから、まだそんなに経っていません。大学時代に始めました。2011年、17歳の時に、友達がミュージカル劇団のオーディションの話を持ちかけてくるまでは、自分が歌ったり、演技をしたりするなんて思ってもみませんでした。それ以来、フィリピンと日本で少なくとも10作品以上には出演しています。
-あなたの役について教えてください。演ずる役柄やストーリーのどんな点に共感していますか。

このミュージカルでトミー役を演ずることは、私の役者人生において、最も大きな挑戦と言えるでしょう。この役は私にとって初めてのタイトル・ロールですし、プレッシャーに押しつぶされそうになる時もあります。視覚・聴覚・発話障害の三重苦を持ち、子どもの頃から様々な虐待を受けながら育ったトミーを演じるのですから。その役作りにおいて、自分が道に迷った時の感覚を大事にしました。日本で外国人として迷った時のこと、ポジティブに反応する方法がわからない時のことです。この物語は、許しと、自分では変えられないことへの受容が軸になっており、それは私が最もトミーに共感できる部分でもあります。
-この作品を通して観客に何を伝えたいですか。

この作品は確かに暗い部分がありますが、ご覧になった方には、その暗闇の中にある光を見て頂きたく思います。「変えることのできないものを受け入れ、受け入れられないものを変える」という有名な言葉があります。私たちが置かれた環境は道具に過ぎず、運命を変えるのは私たち自身なのです。
-あなたの夢は何ですか?
現実的に言えば、今の仕事やその他の活動を続けながら、もっと舞台をやりたいです。現実を度外視して言えば、ニューヨークのブロードウェイで活動したいです。ミュージカル好きな人だったら、誰だって抱く夢だと思います。それから、イーロン・マスクのところで働いてみたいですね。
-あなたにとって東京とは何ですか?
東京は私のホームです。この小さなコミュニティを見つけるのに少し時間が掛かりましたが、来日した1日目から私にはわかりました。ここが私の居場所だと。
ザ・フー:トミー (The Who’s TOMMY)
日付: 2018年5月 17日 – 20日
場所: ザ・ポケット中野
チケット予約: 東京インターナショナル・プレイヤーズ peatix サイト
http://tipthewhostommy.peatix.com
料金: 大人 4,500 円、学生 2,500円
関連リンク
東京インターナショナルプレイヤーズ: http://www.tokyoplayers.org