Theater Person Interview Vol.4 – ウェンデル・T・ハリソン

Wendell T. Harrison

東京アーティスティックシアターアンサンブル『FREE AT LAST:自由という名の向こう岸』が6月2日から上演されます。東京インターナショナルプレイヤーズとのコラボレーションとなる本作品の上演に先立ち、脚本家 兼 演出家のウェンデル・T・ハリソン氏にインタビューしました。

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*&執筆:Chieko Tanaka
*英語版はこちらから

 

-自己紹介をお願いします。

アメリカ南部、ルイジアナ州のバトンルージュ出身です。物心がつく前から、ずっと俳優になろうと考えていました。ですから、大学でも舞台芸術を専攻しました。しかし、俳優の仕事が見つかるか心配だったので、社会学と心理学も専攻しました。おそらくこの事が、今の私の活動に強い影響を与えていると思います。

また、私は幸運にも一年間イギリスで学ぶ機会がありました。その時の経験が、私のインターナショナルな舞台や、俳優達と共に創り上げる実験的な舞台への情熱を育んだと言えます。

舞台以外では、読んだり書いたりして過ごすのが好きです。また、ウェブサイトやインテリアデザインを学ぶのも好きです。それから「ファイナル・ファンタジー」をプレイするのも好きですよ。

 

-来日したきっかけは何ですか。

大学院へ行って演出を専攻したいと思い、23歳の時に権威あるアメリカの大学を訪ねました。入学するには何が求められるのか、知りたかったのです。そこで、「入学願書を出す前に、アメリカを出て、世界をもっと知って来た方が良い」とアドバイスを受けました。そして、その通りにやってみようと決意しました。

日本での英語教師の仕事を見つけ、一年間行ってみようと決めました。外国ならどこでも良かったんです。韓国、ケニア、カナダ…その時は国がどこであろうと気にしていませんでした。でも今は、こんな素敵な国に来ることが出来て良かったと思っています。もう7年も日本で暮らしているんですよ!

 

-演技の世界に足を踏み入れたきっかけは何ですか。

幼稚園の時、初めて舞台を経験しました。今でもあの時の事を憶えています。私はすべてを理解して、すべてのセリフを分かっている唯一の子供でした。私はけっして後ろを振り返りませんでした。

そして今、私は舞台芸術の学位を持っています。数えきれない程の舞台で演技して来ましたし、東京に来てから演出した舞台は約10作品に上ります。そしていつだって、もっと仕事をしたいと思っています!

 

-海外の舞台と日本の舞台の主な違いを教えてください。

俳優にとっては、あらゆる面でスタイルの違いがあると思います。日本の若手俳優は、とても感情的に演技しようと熱心に努力しますが、感情のベースとなる純粋な気持ちの真実味がありません。熱演しようとし過ぎて、コメディのように大げさになる印象です。その役にスッと入り込むのではなく、舞台上で大げさに演技してマンガのようになってしまいがちです。でも、経験豊富な熟年の日本の俳優は、気品ある落ち着いた態度で舞台を思うがままに操り、空間を支配します。

英語劇団について言えば、インターナショナルな劇団の状況は国にかかわらず同じような感じです。英語話者に向けて上演し、楽しませています。

また、日本の劇団と海外の劇団の違いはそんなにありません。そのため、あまりコラボレーションする機会がありませんでした。実際、私は日本の劇団と、もっとコラボレーションしたいと思っています。

 

-『Free At Last』の台本を書き、演出しようと思われたきっかけは何ですか。

東京インターナショナル・プレイヤーズの『ビッグ・リバー』がきっかけです。敬愛する演出家ハンナ・グレイスと演出助手のアンバー・リチャードソンから、1930年代に収集された奴隷たちのインタビューの話を聞きました。『ビッグ・リバー』でも奴隷は主題となっていましたが、その奴隷たちの思いに命を吹き込んでみたらどうかと提案されたのです。そこから登場人物たちへのリサーチと脚本の執筆が始まりました。このプロジェクトの素晴らしさは、才能ある俳優たちが舞台で卓越した演技力を披露するだけでなく、作品を通して日本の観客の皆さんにアメリカの奴隷の暮らしをお伝えできる事にあります。

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主演女優たちとのミーティング *Photo by Goshi Shirakawa

 

-作品を通じて、観客の皆さんに何を伝えたいですか。

悲惨な環境下で暮らしながらも、より強く、より賢くなりながら生きた人々を通して、生き抜くことのポジティブなエネルギーをお伝えしたいです。また、若い人達には本当の自由とは何かを探す勇気を与えたいです。望もうと望まざると、世の中は変化しますし、人は自分自身の幸せを探し求めて生きなければなりませんから。

 

-あなたの夢は何ですか。

自分で劇場を持ち、芸術で身を立てる事です。

 

-あなたにとって東京とは何ですか。

東京はいろいろな時代が融合している最高の場所です。

過去と未来が個性的にミックスされています。カプセルホテルとお城、歌舞伎とロボット・レストラン、踊るお好み焼き作成ロボットとレトロなFAX機が同時に存在しています。東京は雲の中に頭を突っ込んでいるように空想に富んでいて、その一方で伝統という縛りから抜け出せない雰囲気があります。うまく表現する言葉が見つからないくらいユニークな街です。

 

-東京で演出するのはエキサイティングですか?

もちろんです!演出に関して言えば、これは私の初めての個人的なプロジェクトで、アメリカの歴史を私の演出を通してお伝えできる機会です。この作品を日本の皆さんにお届けできる事を非常に光栄に思います。

ウェンデル・T・ハリソンさん演出

FREE AT LAST:自由という名の向こう岸

【日時】2016年6月2日~5日
【場所】荻窪小劇場
東京都杉並区荻窪3-47-18 第五野村ビル1F
(JR/東京メトロ丸の内線 荻窪駅 南口より徒歩10分) *地図はこちら
【チケットお問い合わせ】 www.tokyoarts.org/
【入場料】事前予約:3,000円 当日:3,500円 学生:2,500円

 

関連リンク

東京アーティスティックシアターアンサンブル:www.tokyoarts.org/

 

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