SEVEN・セブン

SEVEN・セブン

2016年4月14日~17日
Black Stripe Theater

Photos by Rodger Sono

 

「異例の早さで公演チケットが完売した」と前評判の高いインターナショナルな舞台作品『SEVEN』のドレス・リハーサルにお邪魔した。

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7人の女性の真実の物語

『SEVEN・セブン』は、女性の人権をめぐる戦いに挑み、勇気をもって新しい未来を築こうとしている7人の女性の実話を元にした作品だ。登場人物は皆、DVやレイプ、人身売買、教育を受ける権利、人権の平等性などなど、男性上位の社会で勇気を持って立ち上がった女性たちだ。舞台設定はロシア、カンボジア、グアテマラ、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタン、北アイルランドと多岐に渡り、女性の人権問題はいかに普遍的なテーマであるかに気付かされる。

 

ショッキングで心揺さぶられる舞台

「男性はゴールド。女性はそれを拭くための穢れなき布でなければならない。布が汚れたらゴールドが汚れる。だから、汚れた布になった女性は、人生が終わったも同然」というセリフが胸に突き刺さった。「穢れなき布」とは、女性の処女性を象徴する言葉だ。では、望まずしてそれを奪われた女性は、ボロ布のように捨てられてしまうのか?そんな事があって良いのか?目で物語を追いながら、納得できない思いが疑問となり、頭の中で繰り返し響いた。気が付けばどんどん物語に引き込まれ、休憩なしの1時間40分の上演時間があっという間に過ぎた。

女性の人生を象徴する布は、舞台装置や衣装にもうまく取り入れられており、視覚的にも観客に訴えかける。舞台は7か国を行ったり来たりするのだが、音楽やアンサンブルの動きで巧みに場面を表現しており、複雑なストーリーながらもすんなり設定が理解できた。

 

彼女たちの思いを受け継いで

舞台を見終えた今、物事を見る目が変わった。ドキュメンタリー作品なので近現代に起きた史実を元にしているのだが、この女性たちの身に起きた出来事は、今も世界のどこかで起きている。女性として生まれたことが教育の機会損失になる国は今も存在しているし、女性に対する暴力は世界中に存在している。残念ながら、日本もまだまだ女性の地位が低い社会だ。自分が生まれ育った所の文化は、「これが普通だ」と思って受け入れてしまうのものだが、舞台を通して新たな気付きが得られ、目から鱗が落ちた気分だ。まだまだ出来ることがある。自分に出来ることから、一歩一歩社会を変えて行こう。そんな強い思いを胸に抱き、劇場を後にした。

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SEVEN

演出:Rachel Walzer
2016年4月14日~17日 ※英語上演
参宮橋トランスミッションシアター
東京都渋谷区代々木4‐50-8参宮橋ゲストハウス B1F (最寄駅:小田急線 参宮橋駅) *地図

チケット:4000円 ※全日チケットは完売しておりますが、キャンセル待ちが可能です。
希望の日時、氏名、枚数を記載の上、blackstripetheater@gmail.comまでお申し込みください。

 

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